怪奇大作戦VOL3「霧の童話」を観てもの悲しくなった話

映画の感想
ひとつお詫びおよび訂正。
私の勘違いでVOL4のDVDを載せてしまいましたが、正しくはVOL3でした。

 

 

あらすじ

あるところに村があった。一面に広がる草原。畦道に立つお地蔵さん。村の子供たちが集う木造の学校。いわばどこにでもある田舎町。ある日、この村に車道を通す計画が持ち上がる。これで貧乏とはおさらばと大喜びのものがいれば、村の景観が台無しになると嘆くものがいた。ある晩、道路開通に沸き立つ推進者一同が集まり、会合を開いた。帰り道、奇妙な光景に出くわす。なんと落ち武者の霊に出会ったのだ。SRI(科学調査班)は、落ち武者の幽霊を探るべく、聞き込みを開始した。その過程で、太郎君という小学6年生の少年と出会った。太郎君はこの村が好きだった。とくに小高い丘から眺める村の風景が好きだった。ある晩、落ち武者の霊が現れたとの報告が上がった。SRIが駆けつけてみると、確かに肉眼で確認できた。しかも不思議なことに霧が発生したあとでだ。SRIは調査を進めていくうちに、太郎君の行動にも疑問が出てきた。なんと太郎君がいるところに落ち武者の霊が現れるのだ。関連性を調べてみると、落ち武者の霊も霧もウラがあることがわかった。SRIは一芝居を打ち、太郎君に落ち武者の霊を呼ぶように仕掛けた。現場で落ち武者と対峙したSRIは、その正体を突き止めた。車道開通に反対する村の有力者たちだったのだ。霧は人工的なもので、旧日本軍の化学部隊に所属していた時の知識で生成していた。ちなみに村の長老の孫が太郎君だった。こうして、車道開通が遅らすことができた。

 

・・・とここまでは反対する村人が車道開通に沸き立つ人々に一泡吹かせたいい話(?)で終わるのだが、続きがある。

 

後日、SRIは新聞でこの村が鉄砲水に飲み込まれたことを知る。村は壊滅的な被害がでた。皮肉にも復興計画で持ち上がったのが車道開通なのだ。

 

感想

見終わってから、放心状態になった。いわば、現代寓話と呼ぶべき話だった。開通した道路脇で、見つめる村人の対比がもの悲しさを誘った。

脚本家の名前を見て驚いた。上原正三さんだ。その名前をどこかで見たと思ったら、アニメ版の「デビルマン」だ。上原さんが描く世界はどこか毒があるな。だからこそ印象的なのかもしれない。

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