令和2年8月某日、クトゥルフ神話に関する展示会があると聞いて、すぐに見に行った。
場所は、有楽町マルイにあるイベントスペース。8階までエスカレーターに乗り、いざ展示会へ。どこが入り口なのかやや迷いながらも、無事発見。
(それにしても、展示を告知しているようには見えなかったがいいのだろうか。一部マニア向けだからだろうか?)
H・P・ラブクラフトによる架空神話の傑作。オカルトの域に留まらない影響を与えている。といっても、原作をほとんど知らず、名前だけ知っている状態。ゆえに、にわかと呼ばれても仕方ない。その名前を知ったのもアニメからなんだから、余計ににわかだ。
一通り、作品を観て思ったのは、クトゥルフ神話は日本でいうところの妖怪の位置づけなのかなと。異質な外見や異形と呼ばれ恐れられながらも、人々を魅了する様はなんとも奇妙。洞窟、森林、地中、空など、人々の生活空間の延長線上に存在するもうひとつの世界。まだ人々の生活が自然から離れていなかった時代の物語なのか。
それとも。
同時期にH・G・ウェルズの世界はこうなる(原題 The Shape of Things to Come)が刊行している。ワイマール共和国の崩壊。ナチスの台頭。世の中が戦争一色である。こうした背景も手伝って、まことに異質な世界観が作り上げられた。
描かれているのは、人の面を被った悪魔だと。(そういえばデーモンも描かれていたが・・・)その戦況下で、人間らしいものが取り除かれ、異形の姿に変わった。
だいぶ想像が先走ってしまったが、私はこういう世界観が好きだ。観るものの足を止め、引き込む作風。見る人によって受け止め方が変わるのも、クトゥルフ神話の魅力でもある。